2013/04/04

リバース

著者:北國浩二

プロを目指すしがないバンドマンが、エリート医師に彼女を奪われてしまう。
予知能力があるといわれる少女から、この医師に彼女が殺されると告げられる。そこからバンドマンのストーカーとも思われる奔走が始まる。
彼女を守ろうという主人公のストーカーぶりは常軌を逸しており、読んでて違和感があったが、読み進めると、タイトルの意味がなんとなく分かってくる。それなりに凝った展開ではあり、なるほどと思った。

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2013/04/03

SOSの猿

まるで1Q84のような同時並行する2つの物語。その2つを結び付けているのが、西遊記の孫悟空。
展開するなかで徐々に話が収斂していくのが心地よい。
時間をずらす技法といい、孫悟空の登場、エクソシストなど飽きさせない。
メサイアコンプレックスにより主人公が物語に深く踏み込んでいくのと同様にこちらも引き込まれた。
久しぶりの伊坂幸太郎でした。

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2012/12/08

『ドキュメント単独行遭難』

単独行の魅力と、そこに潜むリスクを5つの遭難事例から探る。
生還者が語る反省点と生還の理由。
『ドキュメント遭難』シリーズの単独行編。

増加の一途をたどる山岳遭難事故のなかでも、例年高い割合を占めているのが単独行者の事故。

遭難者の3人にひとりが単独行者と言われている。

本書は、山岳遭難関連書の第一人者、羽根田治氏が、単独行遭難の実例を詳細にレポートしている。

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2011/01/09

『歩きながら考えよう』

著者:安藤忠雄

言わずと知れた日本を代表する建築家。
どのような考えを持っているのか非常に興味深い。


情報機器の発達で、急速な勢いでコンピュータ社会になっていますが、人間が歩むべき方向ではない、違うところに向かっているように思えてなりません。つまり、IT革命は人類にとっては後退だと思う。

東京から大阪まで二時間以上かかりますが、この移動にかかる「すきまの時間」が大変重要だと私は思うのです。この時間に、人間はいろいろと何かを考えるでしょ。それが大事なんです。

「我慢」を知り、「不便」にも耐え、それが総合的な幸せにも繋がっているということです。

自分の思考と表現と判断力によって自分の世界を作っていく。


タイトルの通り、人間は歩きながら考えなければならない。
人は考えることができると同時に、言葉によって意思疎通できる。
昔から綿々と受け継がれている礎が揺らぎ始めているのでは。確かにIT化による恩恵は多いが、それにより失うものにも目を向けて行かなければならないのだろう。
著書は短いが、内容はなかなか奥深い。

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2011/01/05

『砂漠』

著者:伊坂幸太郎

無駄で無意味な時間を漠然と過ごしていく大学生達。これが学生生活の醍醐味なのだろう。
だが、卒業すると「砂漠」という名の社会に出てゆかなければならない。そのはざ間で揺れ動くいろいろな想いが交錯する。
意味がないようで、意味深く表現されるところはさすがである。

学長が最後の卒業式のシーンで


学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生は送るなよ。
人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである

砂漠へ旅立つ若者へのエールである。

文化祭、コンパ、麻雀あり、そしてちょっとサスペンスがある読み応えある青春小説。

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2011/01/03

『山の遭難』

著者:羽根田治


山で道に迷いそうになってヒヤッとしたことは一度ならずあると思う。それが大事に至らずにすんでいるのは、深みにはまり込む前に正しいルートに戻っているからだ。
ある時点で必ず「あれ、おかしいな。この道でいいのだろうか」と思う瞬間がある。それは本能が発する危険信号のようなものと言ってもいいかもしれない。
この時点でたどったルートを引き返せば正しいルートに戻ることができるが、この「引き返す」ということがなかなかできない。
「おかしいな」と感じた時点で引き返すが引き返さないかが、遭難するかしないかの分かれ道になる。引き返せない人が、道迷い遭難を起こすのだ。

山で道に迷って現在地が分からなくなってしまったときにはもう手遅れである。基本的に地図とコンパスは現在地を確認するためのものであり、現在地が分からず明確な目標物もないという状況ではほとんど役に立たない。

なるほど、その通りだと思う。

山での遭難の傾向、統計や実例を元に対策方法や心構えなどが克明に記されている。ここ近年、登山者は増加傾向にあるが、健康増進や気分転換といったプラス面だけではなく、山独特なリスクも考慮し、覚悟した上で山に入るべきだと説いている。


厳冬期の北アルプスだろうと、ハイキングで行く山だろうと、遭難事故は、いつ、誰に起きても不思議ではない。
「自分だけは大丈夫」「私は危険な山には行かない」そんなふうに考えているとしたら、あなたも”遭難予備軍”だ。

ちょっと滑ったや、道に迷ったが最悪の事態を招く恐れがある。
都会とは違う世界なのだ。すべては自己責任になるのだ。
そのようなことが自覚できているかどうかは重要な問題だと思う。

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2010/02/17

『ゼフィラム』

著者:楡周平

昨今、地球環境保護が叫ばれ、かつ景気低迷の状況下、エコカーにより生き残りをかける自動車メーカーの話。
エコといえば、電気自動車やハイブリッド。
二酸化炭素の排出が減少され、温暖化に対策になる。だから、地球環境保護にも寄与するといいことずくめだが、どこも同じような取り組みをしており、それだけでは世界的に冷え込んだ市場で競争を勝ち抜くことはできない。
そこで、究極のエコとして、カーボンフリーな取り組みを実施するという方針のもと、ブラジルにサトウキビを元にしたエタノールの生産工場に出資して、それを燃料とするエタノールエンジン車の開発を行い、エネルギーの生産から消費までを一貫して携わることにより持続的な成長を維持し、なおかつ森林の保護も両立させるという社会的責任も果たすという狙いは面白い。
自動車業界も5年・10年先、どのような方向に変わっていくのだろうか。

話のなかで、社長の一言。これは為になりました。

「組織の上に立つ人間に相応しい資質とは、年齢でもなければ経験の多寡でもない。人を魅了し、納得させられる独自のビジョンを打ち立てる能力があるか否か、それを実現させるだけの力と執念があるかどうかだ。」

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2010/02/14

『大人げない大人になれ!』

著者:成毛眞

大人げない大人になれ!
子供のような純真さをもって物事に取り組むことが大事だという。
そのような資質を伸ばすために、趣味にとことんまで嵌ってみることが必要。
本書を読む限り著者はかなりぶっとんだ人物のようだが、なるほどと感じる部分も多い。

平日は会社と自宅を往復するだけ、休日も自宅にこもって何もしないのでは、何かが起こることを期待しても無理な話である。

まさにその通り。
動かないといけない。しかも、少しずつ変化を付けて。。
人生を変えるためには、日常のちょっとしたことから少しずつ変えることが大事だ、つまり、日々利用している立ち食い蕎麦屋から、ちょっと町に出て普段食べることのないようなジャンルにチャレンジしてみる。そんなことの積み重ねが良いといったことを、別の本で読んだことがあり、これは少しずつだが実践していることだ。

また、著者は読書好きで、

読書において重要なことは、本の内容を頭の中に入れることではない。。。
本を読むことで衝撃を受け、自分の内部に精神的な組み換えを発生させることだ。
これは、単なる記憶以上に、自分の考えや行動に影響を及ぼすのである。

私も読んだ本は読んだ傍から忘れてしまう。
言い訳がましいけど、記憶するために読むのではなく、楽しみたいからなのだが、なかなか「自分の考えや行動に影響を及ぼす」って境地には達してない。。。
でも、読書は好きだ。

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2010/02/13

『1Q84』

著者:村上春樹

渋滞する首都高速3号線。
ラジオからヤナーチェックの「シンフォエニッタ」が流れてる中、主人公「青豆」がタクシーを乗り捨てるシーンから始まる。
タクシー運転手曰く、
「普通ではないことをすると日常の風景が違って見えるかもしれない。だけど見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです」という謎めいたメッセージを残した事から始まるミステリアスワールド。
冒頭から引き込まれてしまった。
二人の主人公の物語が平行して進んでゆく。とても幻想的で、シュールな展開で続きが楽しみだ。
思わず、「シンフォエニッタ」をYouTubeで聞いてしまった。

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2010/02/05

『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』

著者:本田直之

面倒くさいことを先送りすることは、自分に借金をすることだ!
面倒くさいと感じることが大事で、それを解消には何が必要か?そんなところから頭を使って物事を考え、工夫をする。
考え方編、日常生活編、仕事編、という局面において、至極、簡単なことを55の法則が紹介されている。
簡単といっていざ続けることや、忘れないようにすることは難しいことだが、内容的に読みやすく、また、どれもすんなりと受け入れられるような馴染みやすさがある。
1時間も掛からず読み通せるような内容なので、何度も読み返すことがさらに効果的と思われる。

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